ミラーという
不思議な存在
連載|アートとしてのミラー
第2回
ミラーの多面性
ミラーとは、実にさまざまな顔を持つ存在です。

車のバックミラーや、道路のカーブミラーのように、日々私達の安全を助ける存在として。

また日用品としては、肌の調子を確かめるためのものとして。メイクしたりヒゲを剃るときのため。出かける前に、スタイルをチェックするため。日常に密接した、実用的な存在です。
一方で、どこか不思議な側面もあります。
例えば、小さい頃に水たまりを覗き込んだときのような感覚で、映り込むその先にはまた別の世界が広がっていると感じることがあります。

夜に真っ暗な中で映った自分の顔などは、別の白っぽい生き物のようで。自分ではないようなはっきりしない表情が怖く思えて、慌てて明かりをつけてしまうこともあります。
インテリアにおける
ミラーの役割
ミラーはインテリアとしても非常に多機能です。

光の反射を利用して部屋を明るく見せたり、壁の向こうにも空間があるかのように広く見せたり。
商業空間では混雑感を和らげたり、非日常感を演出するためにも使われたりします。
他にもチームラボの作品のように、光源やモノを無限に映り込ませて、空間認識や方向感覚を錯乱させるような効果もありますよね。
アートとしてのミラー
本連載のテーマは「アートとしてのミラー」です。ただ「アートとは」という話になると、また奥が深いかと思います。
今回の「アートとして」の定義は、部屋の壁に好きな絵などを掛けたときに感じられる、じわっと心に響く感じ、空間が生き生きとテーマ性を帯びてくる感じ、を味わえるというものです。

「アートとしてのミラー」は、壁に掛けたり立てかけた途端に、実用性を超えて、空間が生き生きとしてくるミラーです。そして私達の人生にじわりと何らかのメッセージを伝えてくれたり、ちらりと目に入るたびに心を動かしてくれるミラーなのです。
これから、全10点をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
想像力でめぐる
ミラーの世界

ミラーのその先に広がる別世界を捉えるには、文学もいいですね。
なんたって頭の中は、いちばん自由な世界ですから…



